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HOME COLUMN 社員のモチベーションを高める人事制度に必要なこととは?
「社員がモチベーション高く働いてくれない・・」、そう悩む経営者は多いのではないでしょうか。
そのため、なんらかの人事制度をつくって評価を回していきますが、多くの会社やそこで働く社員は現状の⼈事制度に内心満⾜できていません。
改善しようと思い、新たな⼈事制度作りに挑戦しますが、結局新しく導⼊した制度も旧制度と同じく形骸化してしまうことが多いです。
人事制度を作るうえで、基軸となるのが、キャリアパスというものがあります。
キャリアパスとは、「社員の成⻑の道筋を描いたもの」です。
社員にとってはどのように成長していけばよいか、地図とコンパスの役割を果たし、経営者にとっては会社という世界がどのように動いているかを掌握するものなります。
そのため、人事制度をつくる上では欠くことができない、最も大事なものになります。
キャリアパスを設計する際の基本の3ステップは次のとおり紹介します。
1.組織として必要な機能(業務)を考える
現在の視点と将来の視点の両⽅が必要になります。
2.機能を果たすために求める⼈材像を描く
スキル、知識、経験、資格、等々を多⾯的に描きます。
3.求める⼈材の成⻑ステップを描く
どのような経験や教育を受けながら成⻑していくかをイメージしましょう。
ただ、会社の成長のためにはキャリアパスは必ず必要なのですが、実はキャリアパスだけでは絵に描いた餅でしかありません。。
失敗する⼤きな要因の⼀つが、「実際の業務と連動・連携していない」ことにあります。
例えば、管理者が部下を感覚で評価し、きちんとしたフィードバックができない、社員も具体的にどのような業務ができれば昇進し、報酬が上がっていくか良くわからない、という結果になり、結局人事制度が形骸化しがちです。
それらを防ぎ、人事制度をうまく機能させるためには、「キャリアパスと連動した業務定義」が必要です。
業務定義を作成することで、実際の業務、役割、職種、習熟月数など具体的に何を期待されているのか、昇進するためにはどのような業務・スキルを磨けばいいのか、見える化されるようになります。
そのため、⼈事制度を最大限機能させ、現場に浸透させるためには、業務と連動させることがすべての鍵となります。
業務定義がしっかりできれば人事制度の土台が確立され、その後は求める⼈材像、キャリアパスに沿って各職種・役割(ミッション)・等級を定義し、評価制度を確⽴します。
評価は処遇決定のプロセスであると同時に、日頃の⼈材の育成計画(教育体系、研修)と合わせて、社員に成⻑の機会を提供するプロセスとして機能させるように構築することができれば、会社が思い描いた理想の人財を育成することも夢ではありません。
その結果、社員のモチベーションが上がり、生産性向上と業績向上を実現することも可能となります。
ぜひ一度あなたの会社でも業務の棚卸しをし、キャリアパスについて検討してみてはいかがでしょうか。
社会保険労務士法人ユニヴィス 代表社員 池田久輝