COLUMN
コラム
会社が順調に成長し、拡大している段階でこんなことはないでしょうか?
・社員同士で人間関係のトラブルがあった・・
・仕事のデキる人のコミュニケーションがキツイ言い方になってる・・
・社員から社長にまで苦情が来る・・
・大量に社員が離職してしまった・・
・その結果、事業が一旦停滞してしまっている・・
こちらはある会社の一例に過ぎませんが、あなたの会社ではどうでしょうか。
解決しようとして、コミュニケーション研修を実施したり、新しく採用をして社員を一新してもまた同じようなことが発生してはいないでしょうか。
このような問題を解決して二度と同じことを発生させないためには、
どのような本質的な原因があって、どんな結果が発生するのか考える必要があります。
そこで、その原因を考える際に、役に立つのがマズローの欲求5段階説です。
マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローによって考案された人間の欲求を5段階のピラミッド構造で表す心理学理論です。
人間の欲求は以下のように「生理的欲求」、「安全の欲求」、「社会的欲求」、「承認(尊厳)欲求」、「自己実現欲求」の5段階に分けることができ、それぞれの欲求が順に積み重なってピラミッドで表現されています。
第1段階:生理的欲求
生きていくために必要な、基本的・本能的な欲求を指します。
会社で当てはめると、労働時間や休憩時間の管理、職場の衛生状況などが該当します。
第2段階:安全欲求
安心・安全な暮らしへの欲求を指します。
会社で当てはめると、病気やケガ、事故、将来の生活などに対する保障のための健康保険や年金、労災保険、雇用保険、安全管理体制、福利厚生、給料、退職金などが該当します。
第3段階:社会的欲求
友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求を指します。
会社で当てはめると、社内の連帯感、仲間意識、上司や部下、同僚の関係など主に人間関係が該当するかと思います。
第4段階:承認欲求(尊厳欲求)
他者から尊敬されたい、認められたい、自分としても尊厳を保ちたい、満足したいと願う欲求を指します。
会社で当てはめると、人事制度による昇格、昇進などによる出世、表彰、お互いを認め合う場づくり、などが用意されているかになります。
第5段階:自己実現欲求
自分の世界観・価値観に基づいて、「将来目指す姿」になりたいと願う欲求を指します。
会社で当てはめると、会社の成し遂げたいビジョンや方向性、価値観と合っているか、キャリアパス、成長できる環境の有無、自分の可能性の追求、挑戦、自己啓発、創造力の発揮される場が用意されているかになります。
問題の原因がこれら5段階の中のどこに当たるのか?
会社ごとの状況に合わせてそれを特定することが大事です。
一般的な会社でよくあるのは、給料を上げれば人は満足するだろうとか、労働条件面で満足させて定着を図ろうとするのですが、今の時代は給料上げるだけでは解決しない場合が多いです。
私のお勧めは、給料面や個別の社員に対する問題とするのではなく、
まずは「仕組み」の問題と捉えてアプローチすることです。
冒頭の会社の例で言えば、
・特定の社員のコミュニケーションになぜ問題があったのか?
・どうして発生してしまったのか?
・なぜ防げなかったのか?
このあたりを調査していくと、社員から本当に求められていること、本当の問題が見えてくるかもしれません。
本当の問題が特定でき、本質的な解決ができれば、
・社員同士の人間関係のトラブルによる思わぬ事業停滞を防げます
・会社にとって本当に必要な人財が離職しづらくなります
・採用しては辞めるという悪循環を断ち切ることができます
・負の離職防止により、採用・教育費用等を無駄にしないで済みます
ぜひあなたの会社でもどこに本当の問題があるのか?
考えてみてはいかがでしょうか。
社会保険労務士法人ユニヴィス 代表社員 池田久輝